JIKOKENNJIYOKU-NIKKI【21st Century】

明日から本気出すわ。

論文の著者の順番

著者の順番はよく考えれば悩みますね。
私はあまり考えないから悩まないのかもしれませんが。

執筆者はもちろん筆頭著者(ファーストオーサー)
そこからの共著者は貢献度によるって聞いてますが、それでも考えると悩むことがありそうだよね。

そんな話題について、以下のコラムを見ました。
のび太ジャイアンが出てくる、
「机の引き出しにおけるタイムマシンの安全性」という論文の例えが面白かった。

なので、勝手に紹介。

○コラム 医学論文の著者の順番
http://pulmonary.exblog.jp/19976642/

(略)
投稿する医学論文や投稿コーナーによって著者の上限が決まっています。
たとえば、8人を著者にしたいと考えていても、5人までという規定がある場合には
残りの3人は原則的に著者に入ることができません。


そのため、やむなく著者に入ることができなかった人たちは
Acknowledgementの部分で”謝辞”として登場することが多いです。
この謝辞に入った人は、論文情報としてはその名前は正式には登録されません。
正式に登録というとなんだかおかしな言い回しの気がしますが、
論文情報として登録される名前はあくまで著者のみなのです。


論文の著者が5人だった場合を想定してみましょう。
たとえば「机の引き出しにおけるタイムマシンの安全性」という論文を
書いた5人の著者がいた場合、筆頭著者である野比のび太は、その研究に取り組み論文を書いた人間です。
当然ながら彼が一番この論文に貢献した人間なので、一番目に登場するわけです。
ここで悩ましいところは、第二著者であるドラえもん以降の扱いだと思います。


最近の欧米の医学論文に目を向けると、共著者は研究の貢献順に並べられていることが多いようです。
そのため、論文を書いたのび太の次に貢献度が高いのは、
タイムマシンを家の引き出しに設置したドラえもんということになります。

しかし日本の場合は、教授やリーダーが論文の共著者の最後に存在する傾向が強く、
のび太剛田武ジャイアン)の5人の中では、のび太の次にラストオーサーである
ジャイアンの貢献度が高いという意味をなすことが多いのです。


国ごとに著者順のルールが違う理由の1つとして、
たとえば日本では旧帝大による研究業績評価法の歴史があります。
この評価方法は、筆頭著者とラストオーサーに高い評価が与えられる仕組みになっています。
この方式での評価が過去におこなわれていた歴史があり、
ラストオーサーの立ち位置が非常に高いものになったのだろうと思います。

そのため、現在の日本では、その研究におけるラストオーサー(ジャイアン)が
一番ポストの高い人間と位置付ける暗黙の決まりがあります。


国によってこのルールが異なるため、雑誌によってはAuthor's Contributionという、
”誰が何にどう貢献したのか”という細かい記載を求めることもあります。
有名雑誌ほどAuthor's Contributionを求める傾向にあります。


○連絡著者(責任著者)

ところで、医学雑誌に論文を投稿する際、匿名化した査読(peer review)を受けることになります。
その際、corresponding author(連絡著者)を決めなければなりません。
これは、研究に対して医学雑誌社とのやりとりを行う代表者であり、
その論文について最も理解している人が果たす役割です。


欧米の場合だと、筆頭著者であるのび太や貢献度が高いドラえもん
corresponding authorになることが多いのですが、
日本の場合だとのび太やリーダーのジャイアンがcorresponding authorを兼任します。

しかし、スネ夫ジャイアン、あるいはドラえもんジャイアンの貢献度に優劣をつけがたいとき、
一方をラストオーサーに他方をcorresponding authorに指定することもあります。
これは、後述するギフトオーサーシップではないかとの厳しい意見も一部ではあるようです。


○最初の3人

文献が他雑誌で引用されるときに”最初の3人のみを記載し、
その後に「et al.」をつけること”という決まりがある場合があります。

3人目のしずかちゃんはデータ解析をしただけなのに、
最も上司であるジャイアンの名前が掲載されないというのは、
ジャイアンからしてみればあまり気持ちのいいものではない可能性もあります。
ラストオーサーかつcorresponding authorであるにもかかわらず、
海外では貢献度の高い共著者とは認識されないおそれがあります。


そのため日本の暗黙のルールに従った場合、最も上司にあたるラストオーサーが
最初の3人に入らないために掲載されないという不具合を生じることがあります。

もちろんそんなことは別にたいしたことじゃないとおっしゃる方も多いと思いますが、
重要なボスの名前が引用されないことがいささか問題になるケースもあるようです。

(以下略)

説明の図もありますので、興味がある方は前掲のリンク先を確認ください。