どんぐりの経営理念
先日、札幌の中心である大通の新店舗(2015年9月開店)に行ってきたわけです。
で、これはどんぐりの従来の店舗とは異なり、旗艦店的な扱いなのではないか、と持論を述べました。
その後にふと気になりまして、どんぐりの経営理念を調べてみたんです。
すると、どんぐりのサイトに以下のとおり経営理念が示されていました。
2.おいしく、楽しく、安全な店
3.働く人、一人ひとりの個性が活きる店
以上の経営理念を再確認したところで、私は確信しました。
普通に読んでいくと上から順番になると思うんですよ。
で、優先順位、つまり、どんぐりが企業として大切にする順番が理念と一致する(はず)。
すなわち、どんぐりが一番大切にしているのは、
1.家庭的、庶民的な店
つまり、どんぐりの商品(パン)が一番大事。
商品はその味、価格といったものを包括する家庭的、庶民的という価値観を示しているんだと推察します。
次。
2.おいしく、楽しく、安全な店
おいしく、楽しく、とあるので、これも商品(パン)じゃねーかと思いますよね。
ちがいます(断言)
おいしく感じるのは誰ですか?
楽しさを感じるのは誰ですか?
そうです。
どんぐりに来た客たちです。
どんぐりは顧客を商品の次に大事に考えています。たぶん。
「顧客が一番じゃねーのかよ」
という指摘があるかもしれませんが、愚問です。
良い商品、価値観が定まった商品がなければ、ターゲットも定まりませんし、それを支持する顧客も生まれません。
したがって、商品の次に顧客なんです。
商品ありきで、その商品を支持してくれる顧客に安全(材料、食べる環境等)で安心しておいしさや楽しさを感じてもらう。これがどんぐりが二番目に大切にしていることです。たぶん。
次。
3.働く人、一人ひとりの個性が活きる店
良い商品、顧客が満足する店、これを下支えするのはそこで働く従業員です。
調理場でパンをつくる、レジャーで接客をする、パンを陳列する、新しい商品を開発する、材料の管理をする、パンの売れ筋、時間帯を分析して調理するパンや量等を管理する、他にもたくさんの役割があります。
これらの従業員が各々の場で自らの役割を果たすことで、理念を表すパンがつくられ、そのパンで顧客が満足しハッピーになれる。
従業員は大切です。
しかし、それも商品、顧客あってのことです。
なので、前述したように一番上の優先順位ではなく、商品、顧客に次いで3番目に大事なのです。
そして、すべての理念の最後に「店」とされていることから、「店」つまり、「店舗」がどんぐりの理念を総合的に体現しているんです。
そして、雰囲気や活気、安心感や癒しといったポジティブな空気感を醸成しているのです。きっと、いやおそらく、たぶん。
陳列されたパンは家庭的で庶民的、客がおいしさを感じたり、楽しさを感じる、そこで働く従業員もそれぞれのキャラを活かしている、そんな店がどんぐり。
素晴らしい。
人は心が落ち着く場、安心する場、ほっと一息つける場が必要だと思います。
どんぐりは、そういった場を社会に提供してくれている(少なくとも私には)。
仕事でいやなことがあっても、特別ハッピーなことがあっても、どんぐりでくるみレーズンパンを食べると、フラットなところに戻ってくることができます。良い意味でリセットされるのです。
素晴らしき、どんぐり。
株式を上場したら、購入したいくらい好きです。目に見える形で応援したいので。
ちなみに、私はどんぐりの関係者でもなんでもありません(笑)
ちなみに、ふと思ったけど、このどんぐりの3つの理念って、「(提供する)サービス」、「(望ましい)顧客の状態」、「従業員の自己実現」みたいに抽象化できそうな気がする。
理念がブレると、サービスも従業員も定まらないから顧客の獲得も難しくなりそうですね。
最後は蛇足でした。
以上。