スクラップ・アンド・ビルド
- 作者: 羽田圭介
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: 単行本
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さくっと読めました。
2日で。
介護をする主人公と被介護者である祖父を中心に、比喩的にいろんな対比がされている感じがしました。
芥川賞をとった作品なので、これは純文学に分類されるのかしら?
だとしたら、純文学は僕の中のイメージとしてとっつき辛いものと考えていたので、そのイメージではなくなりました。
介護に関して言えば、
行政が中心となって介護に関する社会システムを構築したり、法整備をしたりすると思いますが、やっぱり最後は現場に近いサービスが、本人と家族の生活を支えていくうえで大切ですよね。
本人や家族と一括りの言葉にしても、中身は多様すぎるくらいな状態でしょうから、それぞれの価値観、死生観等を踏まえていくと、通り一遍の仕組みじゃ支えきれないよねー。
自分自身は身内の介護に関わったことはありませんが、本作品を読むと、介護に関する葛藤や軋轢、心の揺れ動きをなんとなく感じられました。
介護ってきっとこんな感じだろうなー、という感覚を、個別の事象を扱っていながら、一般化までいかなくても、その手前くらいの共通項を小説の作品に落とし込めるのは、やっぱ作家ってすごいわ。