JIKOKENNJIYOKU-NIKKI【21st Century】

明日から本気出すわ。

スクラップ・アンド・ビルド

スクラップ・アンド・ビルド

スクラップ・アンド・ビルド


さくっと読めました。
2日で。

介護をする主人公と被介護者である祖父を中心に、比喩的にいろんな対比がされている感じがしました。

芥川賞をとった作品なので、これは純文学に分類されるのかしら?
だとしたら、純文学は僕の中のイメージとしてとっつき辛いものと考えていたので、そのイメージではなくなりました。 

介護に関して言えば、
行政が中心となって介護に関する社会システムを構築したり、法整備をしたりすると思いますが、やっぱり最後は現場に近いサービスが、本人と家族の生活を支えていくうえで大切ですよね。

本人や家族と一括りの言葉にしても、中身は多様すぎるくらいな状態でしょうから、それぞれの価値観、死生観等を踏まえていくと、通り一遍の仕組みじゃ支えきれないよねー。

自分自身は身内の介護に関わったことはありませんが、本作品を読むと、介護に関する葛藤や軋轢、心の揺れ動きをなんとなく感じられました。

介護ってきっとこんな感じだろうなー、という感覚を、個別の事象を扱っていながら、一般化までいかなくても、その手前くらいの共通項を小説の作品に落とし込めるのは、やっぱ作家ってすごいわ。

作者の羽田さんの他の作品も読んでみたいなと思ったわ。