白鵬が負けた。
新聞をとっています。
朝刊のみで契約したのに、夕刊まで配達されていました。
面倒なので、配達所にも特に伝えてきませんでした。
4月分の集金も来ていないので、来たタイミングで、「夕刊の契約してないんですけど! 仕事から帰るのが遅くてほとんど読めないし! その分は支払いませんからね!」
集金に来てもそう言って踏み倒してやろう。
そう企んでいました。
そして、今日。
白鵬が負けました。
左肘にもサポーターつけてたし。
昨日はみてませんが、右肘にサポーターしてたらしいですね。
「今日来るお客さんにきれいな体での相撲を見せてあげたい」
白鵬は、そんなことを語っていたんですわ。
そして、白鵬が、負けました。
僕も勝手に白鵬の心情を思いやり、「嗚呼、なんてこった……」と落ち込んでしまいました。
そう、そしてこのタイミングで、新聞の集金が来たのです。
「4月にお会いできなかったので、、」
僕は用意していたアレを言ってやりました。
「契約していないんですけど、夕刊が配達されているので、来月から止めてもらっていいですか」
若干というか、かなりニュアンスが異なってしまいましたが、こんな感じで言うのが精一杯でした。
だって、白鵬負けたし。
すると、集金のお兄さんが、
「あ、じゃあ夕刊分の料金は、、、お引きしますね、、、」
そして、僕は思いがけないこの提案に調子を崩してしまいまして、
「いえ、いいんです。もう済んだことですから。来月からは夕刊止めでお願いします」
そう。もう済んだこと。
白鵬負けたし。
「……先月お会いできなかったものですから、今日二ヶ月分いただいていっても構いませんか……もし難しければひと月分でも結構ですから……」
「いえ、支払います。二ヶ月分。来月からは引き落としにしていただけますか」
「わかりました。クレジットカードと銀行引き落としがありますが」
「クレジットカードでお願いします」
「わかりました。でも、今日二ヶ月分で大丈夫ですか……」
「(大丈夫だって言ってるだろうがっ!!)……えぇ、大丈夫ですよ」
「8237円になります」
「え?」
「8237円です」
「(現金あったかな……)8327円ですね」
「いえ、8237円です」
「ちょっとお待ちください」
あった。
良かった。
でも、白鵬が負けた事実は変わらない。
夕刊をほとんど読んでないのに、勝手に配達されて文句を言わなかったので、読んでない夕刊の料金まで支払った事実も変えられない。
新聞の支払いを終えて、現金のなくなった私はこれから友人と飲みに行くのでコンビニのATMへと向かうのであった。
白鵬が負けなければ、いや、そんな話はもうやめよう。
でも、やっぱり、言わせて欲しい。
白鵬が負けなければ、新聞の集金も来なかったかもしれないし、もし来たとしても居留守を使ったんじゃないだろうか。
そしたら、新聞の料金も支払わなくて済むし、コンビニのATMに行く必要もなかった。
んなわけねーか(笑)